フレグランスの歴史

フレグランスの歴史

もともと香料は古代エジプトではミイラを保存、防腐、殺菌のために使うものでした。この時代、香料は金銀と同じように扱われてきたのです。

 

この高価な香料をフレグランスとして貴族階級は使い、楽しんでいたというわけです。

 

それから時代を重ね、香りを効果的に自己演出の手段として使う女性が登場しました。彼女こそがギリシャの英雄たちを夢中にさせたクレオパトラ7世です。

 

彼女はバラの香りを自分の香りと決めていて、当時も貴重だったバラをふんだんに使い、自分の香りとしていました。バスルームや廊下、ベッドルームをバラで満たしたのは有名なエピソードです。
彼女はいわゆる美女ではなかったという説もありますが、香りを味方につけて、自分の魅力をアピールすることに長けていたのでしょうね。

 

この時代には香料がそのままフレグランスとして使われていて、今でいう香水になるのには、中世アラブ・アラビア時代まで待たなければなりません。

 

中世アラブ・アラビア時代は錬金術が真剣に研究された時代で、これをきっかけに化学技術が進歩しました。

 

バラの精油を採取することに成功

 

その化学技術を駆使して、バラの精油を採取することに成功したのです。その後、このバラの精油はローズオイルになったり、アルコールで希釈してローズウォーターに変化していったわけです。フレグランスの誕生の瞬間です。

 

この後に十字軍がこのローズオイルやローズウォーターをヨーロッパに持ち帰り、他に香りはないかと研究がすすめられて、さまざまな香水が作られて始めたのです。

 

本格的にフレグランスが開発されるようになったのはルネッサンスからです。当時の文化や芸術、科学の中心だったフィレンツェなどのイタリアで作られるようになります。

 

この香りの文化はフランスに嫁いだ、カトリーヌ・ド・メディチによってフランスにもたらされます。

 

それからルイ王朝時代に貴族の間でフレグランスは大流行し、フランスが誇る香りの文化の礎になったというわけです。